餅ドリーミン

夢日記です

昔の思い出というお題で文章を書く夢/白川沿いを歩いて古本屋に入る夢

昔の思い出というお題で、何かの文章を書いている。

「学生時代(然しそれはいつからいつ迄だろう)に何度も入った店の前の看板の横に空色をした子供用のカートが置かれていてそれに書かれたどうでもよい子供の落書きを鮮明に覚えている、ということがある」

というような文章で、些細な記憶がいつまでも残っているという話だが、それは嘘なのである。「カート」というのは子供用の手押し車のオモチャのことだが、「カート」という言葉でいいのだろうか。ネットで検索しようとする。

雨で増水した白川沿いを北へ歩いている。二条あたりに着くと、やや賑わってゴミゴミとした通りに入る(※実際にはない通り)。何か懐かしい店の前を通る。特別に舗装された狭い路地があり、古本屋街になっており、そのうち北西の一軒に入る。店先のワゴンに薄汚れた講談社文芸文庫が並んでおり、気になる作家のものをいくつか手に取る。店内は古い文学書が多い。つるんとした頭の頑固そうな店主が座っている。

中学か高校の職業体験らしく、メイドのような制服を着た若い女性が店内にひしめき合っている。古本屋は表と裏にそれぞれスペースがあり、細い通路でつながっていく。奥のスペースへ行く。奥への通路にはエロ本が並んでいる。黒地に赤い星がデザインされた表紙の古いエロ雑誌などがある。通路はメイドたちで混んでいる。

奥のスペースには、幻想文学やその評論の棚があり、ゴスっぽい服装の若い女性が立ち読みしている。(※昨夜、昨今は個性的なファッションが受け容れられやすくなってよい時代だ、ということを考えていた)

 

仕事に慣れた感じの実習生が階段から降りてくる。別の高校に行った友人MTさんだった。MTさんは職業実習の高校生という設定だが、既に3〜40代で子供を産んだ後のようでもある。(※実際MTさんは私の友人で珍しく子供がおり、ゆえにしばらく会えていない。)

MTさんの知り合いらしき女性が「MT!MT!」と叫んだのに乗じて、私も「MT!MT!」と呼んで駆け寄る(※23年前に別の友人の結婚式でMTさんに会ったときそんな感じだった)。MTさんは「ああ」と笑顔で応じ、私は「久しぶり!MTが実習で来てるんちゃうかなと思っててん!」と興奮して語りかけ、今度遊ぶ約束を取り付けようとする。ネームプレートか、ラミネート加工されたレシピのようなものを持っているが、私が持っているのかMTさんが持っているのか分からない。

退位した天皇が母と暮らす夢

何かの研究会。研究室の人たち?と倉庫のエレベータのようなところに閉じ込められ、何かを整理している。米をどこで調達するかという問題がある。

退位した天皇が一般人の家で生活するプロジェクトがあり、母と暮らし始めたことが分かる。

昔の実家の、土間を上がったところの部屋の押し入れの前で、母がこたつに座り何かを食べており、天皇はこたつの向かい側にちょんもり座って母の様子を見ている。庶民の食べ物が珍しいのだろう。われわれはその様子をどこかの小窓から見ながら、天皇の台詞を勝手にアテレコする。母が米を食べ出すと、「朕の国民が作った米の味はどうかのう!」などと言って皆で大笑いする。その遊びが流行っていることをSNSに書こうと思うが、まずいのではとも思う。

天皇と過ごすことになった家庭には、ラミネート加工されたメニュー表が渡される。餅米ちまきなどの食べ物に並び、クラウドファンディングで家の前の電柱や電線を地中化できるメニューなどがある。隣にいた夫がおらず、学習デスクももぬけの殻で、「電柱を埋めに行ったのだな」と思う。

小説を書いているが書き終われない少女の話を聴きその話を小説に書こうとする夢

「小説を書いているが書き終われない」という少女の話を聴く。

その子は、カドタさんという実在の男性が好きで、自分とカドタさんが両想いであることが分かって終わる小説を書こうとしているのだが、いつも物語の途中でカドタさんを殺してしまい、結末に辿り着かないのだという。たとえば、主人公が路地を歩いているときに民家の壁に揺れる影を見つめる風景描写を入れよう、と思いつく。そうするとそこで「影を見ていると死んだカドタさんを思い出した」という心情を記述してしまい、それ以上書けなくなるのだという。(小説の中で描写される民家の壁は、M町の坂の南側のKさんちのあたりである。)

私はその話を面白く聴き、その話自体が小説のようであると思い、自分が「小説を書き終われない少女の小説」を書いているようである。話が記憶にあるうちに早くアウトプットしなくてはと思い、大学の図書館か府の図書館のような大きな図書館の閲覧室に来る。図書館の資料棚の奥に広めの閲覧スペースがあり、そこで書き物ができるはずだが、先にトイレに行っておきたい。しかし、B1階とB2階は同じ構造になっているのに、トイレとコピー機はどちらかの閲覧室の奥にしかなく、どちらの階に行くべきか分からなくなってしまった。 

tutu音の夢

何らかの用があり、昔の電話番号を思い出さねばならない。実家の親たちと一緒に、ああでもない、こうでもない、と12桁くらいの番号を思い出そうとしている。親たちは三人くらいいて、皆険しい顔をしている。思い出した! と思ってもやっぱり違った、ということが何度も繰り返され、なかなか思い出せない。またそれらの番号は全て、過去の何かの嫌な記憶に結びついているようである。

 

『月刊ムー』のようなオカルト雑誌が、ずっと取材し続けている中国の若い兄妹がいる。兄妹は事情があって父親を殺し、その後軽業のようなことをしながら中国全土を旅して各地で超常現象を起こしているのだが、それが中国のマップの上にマークされており、赤黒い地に白抜きのおどろおどろしい題字で各地での出来事が記されている。そんな事実はないのに、「兄妹の禁断の恋」というようなスキャンダラスな書かれ方をしている。

二人の潔白を信じるメディアもあり、二人の言い分を報道しに来るが、そのためには二人の姿が空中に浮く形で画面に映らねばならない。報道関係者が「吊るす」と書かれたピクトグラムを掲げてみせる。二人の人間が首を吊られたような恰好で空中に浮いている図が描かれている。私は兄妹の妹になっており、「(これでは、潔白を証明できても首を吊られて死んでしまうのでは)」と思う。

 

その妹は、宇宙と交信することができ、そのこともセンセーショナルに報道されている。宇宙と交信する「tutu音」が始まる。「tu……tu……」という音が何度か繰り返されると、それに混じって宇宙からの声が途切れ途切れに聞こえてくるが、それは聞いてはいけない声のようで非常に怖ろしい。

(ここで叫んで目が覚める)

鳥辺野への坂を上り「死というのもまた無人島ダンス」と言う夢

紅葉する鳥辺野のほうへ坂を登っている。

誰か、私の好きなバンドマンが自殺で死んだという。音楽は無時間なので作品があればいい、と思う。しかし周囲の人による記事を探して読んでしまう。「記事を読むのは今日限りにして、明日からは作品だけを聴こう、作品には生も死もない」と思う。

彼の死に身近に接した人が取材され、「脳漿に触れた」と言っている。彼の相棒だったミュージシャンのインタビューを読むと、「まだそんなことを言っているの? 生死とは自由を愛するということだよ」と語っている。私は坂の途中に立ち止まり、「死というのもまた無人島ダンスなんやな」と言う。

 

註)無人島ダンス…2000年度京都大学11月祭の統一テーマだったフレーズ。この頃の統一テーマの中で唯一好きだった。

「献体」と電車内の銃の集団と妊婦の夢

献体」とか「モデル」とか呼ばれる職業があるらしい。その人たちは、何らかの理由(創作に生かしたいなど)で人間の死を見たい人のために眼前で死ぬという仕事をしている。しかし、死ぬことが仕事だが、実際にその人たちを死なせることは倫理的に重大な罪悪であるとされている。
であるのに、悲痛にもついに「献体」の死者が出たというニュースが報じられる。死んだのは二人の女性である。

私は電車の中を前方の車両に移動しながら逃げている。途中で男女の集団が道を塞いでおり通れない。彼らはほとんど大砲のようなサイズの狙撃銃を構えており、下手に割り込むと危ないと思われる。とりあえず傍らの座席に座り様子を見る。
何席か隣に、妊娠している女性が座っており、守らねばと思う。彼女は一般乗客であるようでもあり、銃の集団の仲間であるようでもある。斜め向かいの扉近くに通報ボタンがあるが、道が塞がれているので自分では押しにいけない。かといって立ち上がると狙われる。一か八かだと思い、扉近くの乗客に「通報ボタンを押して!」と叫ぶ。それで押してくれるなら成功だったが、誰もボタンを押す者はなく、私が銃集団に注目されるはめになっただけだった。

いつしか、何人かの知人とともに前方の車両に移動しており、電車の外に出て線路脇で話している。あるテロリストが名古屋から大阪あたりまで逃げ、警察はその逃走ルートを詳細に把握していたが、なぜか今里線の区間だけをぽっかり見落としていた、だから現代の警察の追跡力も完璧ではない、という話を革命に詳しい知人がする。Tさんが「勉強になったわ」と半笑いで言っている。

エスカレータは地上に出る。地上に出たはずだが水中に浮上したようでもある。ワンボックスカーのトランクから空中?水中?に放り出された「献体」の女性二人の姿と自分が重なる。女性の一人はブロンドの大柄な人で、春らしい水色と黄色のニットを着ていた。彼女らの人生は何だったのかと思う。

中古CDの大量在庫をどうするかという話を数人でしながらまたエスカレータで上っている。Tさんが、誰かが追いかけてきていることに気づく。何人かに追われている気配は分かるが、なぜか私は振り向けない(振り向かない)。誰かが「〇〇ちゃんや」と言い、追ってきている一人は、小学生の頃に霊感少女を名乗っていた寺の娘のSちゃんだと分かる。白いレース編みの襟のついたニットを着ている。刃物を持っているようで、漫画で描かれるような黒いオーラを放っており影の落ちた顔面に目だけが光ってめちゃくちゃ怖い。


付)フロイト的「子供の性理論」のお手本のような夢だった。落下と浮上。銃の仲間かどうか分からない妊婦。ブラックボックスである名古屋-大阪のルート(子供はどこからくるの)。近々生まれることになっていた友人の子へのお祝いの夢だったのかもしれない。

昔の音楽メディアの夢/深夜に京大病院に行く夢

(1)

実家(のようだが知らない家)を大掃除している。テレビの台の横にいろいろな音楽メディアが入った袋があり、妹が「これ捨ててもええか」と言っている。カセット、MD(?)、昔の8センチシングル(?)、8mmビデオテープのようなものもある(※実際は8mmは使ったことがない、MDは妹が使っていたが私はほぼ使っていなかった)。今では再生できないようなメディアも多い。私は「捨ててええよ」というが、昔ラジオから録音したものだけはもう入手できないので持っておこうと、どこに行ったのかと探す。

実家と親戚の家?職場?を往復しているのか、あわただしくしている。近所に何階建てかの本屋があり、母とそこへ何かの用事で出向いている。店頭の平積みの中に探していた漫画の新刊があったが、よく見ると違う本で、新刊が出るのは翌日だった。チェンソーマン海外版のような表紙。子供向けの本の売り場で、B5くらいの白っぽい表紙の、環境問題について書かれた本を買おうとする。

家に帰ると父が何か不機嫌そう?な様子。叔母が何か言う。私は風呂(※実際の風呂とは違い異様に広く大きな鏡がある)を掃除している。鏡の上の壁が、カビなのか黒く汚れていて気持ち悪いが、ブラシで落とすときれいに汚れが落ちる。その作業に熱中しているのに、父がやってきて、祖父が私のためにコートを買ってくれようとしているからどれか選べと言う。既にコートは家にいくつかあるし、場所をとるので要らないが、祖父はもう買う気のようだ。祖父が変な色の着物を着て座椅子に座っている様子が浮かぶ。買ってくれようとする思いは有難いが、別にほしくないものを選ばされるのは、気が重いし苦痛だ。ベージュ、茶系のコートを思い浮かべ、もううちにあるなあと思う。そういえば子供の頃から、なんとなくコートは茶色という思い込みで、好きでもないのにそればかり着ていた、と考える。黒のダウンは持っていないからあえてならそれを選ぶのがいいか、と考える。(※職場のできる先輩が黒のダウンを着ていたことがある。)

 

(2)

生理不順で産婦人科に行く。吉田のあたり(親戚の家の感じ)にある、女医のいる医院である。ウェーブのかかった髪の若い女医が出てくる。渡り廊下を渡って診察室に行く。診察を受けるが、異常はなく、リラックスが大事だと言われ3500円の入浴剤を処方される。どんな効果があるのか尋ねたかったが、まあいいかと思いそれを持ってかえる。緑色で、プラスチックの瓶に入っている。

異常はないはずだが、精密検査を受けることになり、京大病院に深夜に送られる。学用患者扱いになると聞く。私はおどけて、「えー、学生は来なくていい、来んな!来んな!」と言う。ついてきた女医が「婦人科はいやですよね」と言う。気障な感じの若い男の医師が、「こんな時間に他院から受け入れたのだからそれくらいしてもらわねば」と言う。私は「大学病院の学用患者ってそうやって決まるんだ」と思う。診察室に入ると、白い服を着た医学部の学生がぞろぞろ4、5人入ってくる。おとなしそうな女の子たちばかりだったので、少しほっとする。私は患者なのに前に立って講師のように喋っている。「ちょっと緊張してます」「こんなことならもっとおしゃれしてくればよかった」と言うと、学生から笑いがもれる。これから医師になる子たちなのだからしっかりやらねばと思う。内診台は目隠しのないタイプで、男性医師が台と学生の間を指し「まああのへんを見ててください」と指示する。いい加減だなと思う。

男性医師の手際が悪く、しばらく待たされている間に、階段(※昔の実家のような造りになっている)の間にいる女医に、「あの薬(入浴剤)って効くんですか?」と気になっていたことを尋ねる。女医は「効きません、気やすめです、こちらも商売なんです」と言う。私ははっきり言われてぽかんとするが、すっきりし、「なるほどです!納得しました!」と言う。しかしそれなら最初からそう言ってほしかった、そしたら買わなかったのに、3500円が庶民にとってどれだけ大きい出費か考えてほしい、と思う。