餅ドリーミン

夢日記です

震動のリズムを記録して文学賞に応募する人の夢/父が蛇を捌く夢/花の名前を調べる夢

東山仁王門のあたりを歩いている。東のほうがぼんやりとしている。親族の行事のようなものがある。
役所か大学の会議室のようなところで、小説を書いている人の話を聴いている。地震と連動する地のリズムのようなものがあり、それをそのまま記録して文学作品とし、文学賞に応募し続けているという人の話を聴く。そんな文学的技法もあるのかと思う。会議室には窓があり、いくらか緑があるうすぼんやりした外の様子が見えている。その窓の下あたりに、たしかに、地の振動を記録するらしき装置がある。装置はヴーン、ヴーンと一定のリズムで唸っている。普通は聞こえない音だが。

私も何か書かねばならないものがあるようである。それを気にしながら、東山のふもとのほうへ向かう。山に差し掛かる前の道の両脇に草むらがあり、草むらに蛇がいる。蛇は、蒼みがかった銀色の身体の腹側に赤い2本の線が縦に入っている。父が子供たちにその捌き方を教えており、私も聴衆の中に参加する。父は蛇の首の部分を捉え、腹側を皆のほうへ向け、ちょうど首から下を赤い線に沿って二枚に下ろすように切り裂く。蛇は口を開けている。その様子を文章に書かねばと思うが、それは罪であるような気もする。

その道のもう片側も草むらになっており、木の柵が続いている。くすんだ赤紫色の花が咲いており。その名前を調べ、母に教えねばならないと思う。花の周囲には綿毛のようなものも見える。支援学校に通う知的障害のある男の子と、その兄か弟がやってきて、私はふたりと話す。兄弟もその花の名前を訊く。

ひよこ動物園の夢

何か慰安旅行みたいなもので、地方の小さな動物園に行く。
地名に「雨」という文字が入る街。その名のとおり、日本で一番雨の多い街だという。雨の中でも楽しめるというコンセプトの動物園を作っている。動物園の名前は「ひよこ動物園」。

ひよこ動物園には名前のとおりひよこたちがおり、ぬいぐるみのようでかわいかった。白くふくれたアヒルのような子もいる。ひよこたちの母親だろうか。また別の小さなスペースには、腹を見せて横たわる、白く長い猫のようなかわいい動物がいた。またある水槽には綺麗な水棲動物たちと、山極さん(山極寿一)がいた。

山極さんは酔っ払っていた。ツアーに参加していた学者のおっさんが話しかけ、山極さんとおっさんは水槽越しに会話を始める。山極さんは「こういう立場になると研究ができない、でもそれを逆に生かして街おこしをする」というようなことを語った。「こういう立場」とは総長のことを指すはずだが、天皇を指しているようでもあった。

とても良い映画を観た夢

評判の良い映画を観に行く。若い男女のカップルと、ゲイの青年と、その青年が片思いする少し年上の男、この四人の若者を中心とする青春映画で、『サパス』のようなタイトル。女性は酒好きで飲兵衛である。青年は新京極(六角下ルあたり)でビストロを経営している。四人が新京極の店で知り合っていきなり朝まで酔い潰れる、というところまで観た。また序盤だったが全員演技が上手く、大変良い映画だった。とりわけ、青年役の人の、「恋をしている人の表情」がすごく上手かった。カウンター席に座りながら、青年が片思いの相手の男を横からひっそり見つめており、それを飲兵衛の女が見ている、というシーンがあるのだが、私は作中の女と同一化し「恋してる人の表情ってこうだなあ!」と思っていた。普段はそんなことは思わないのに。片思いの相手の男は、フィラデルフィア賞(なんか建築の賞らしい)の受賞歴があり、プライドの高いとっつきにくい男だが何か雰囲気がある人物だ。彼の役の俳優も、そんな人物像をよく演じていた。映画は某君も絶賛していたという。

 

岡崎を、東から西へ歩いている。丸太町通りのひと筋ほど南の民家の並ぶ通り(実際は無い通りだが、以前ラブホ街があったあたり)。京都らしい町家が並んでおり、歩いていると、一軒の家からNさんが出てきた。Nさんは、綺麗に咲いた鉢植えを外に出すところで、鉢植えは薄黄色の躑躅だった。Nさんと一緒に住んでいる彼女はまだ寝ているという。Nさんは変な歌を歌っている。私はふざけて「今日一日頭から離れないじゃないですか」と言う。Nさんはしばらく元気がなかったが、今は元気だと彼の指導教員に聴いた。Nさんは大学から離れたが、荷物をまだロッカーに置いている。S君も同様だそうだ。私は彼らのロッカーを開けに行く(それは現実のようでもあり映画の中のようでもある)。建築学の分厚い本が入っていて、彼らもフィラデルフィア賞に複雑な思いをもっていたようだ。ロッカーは町家の坪庭に面した廊下奥にある。

 

掃除のときに小学校で配布されたソングブックが出てきて、それをIさんが図書館に寄贈しようとしたが断られた、と聴いた。「それじゃ文化が衰退していくよね」という話をした。紺色の皮に、銀で題字と絵が刻み込まれた表紙だった。小学校のソングブックなんて今はほとんどの人は要らないだろうが、しかし、何十年後に何かを調べようとする人にとって重要になるかもしれない。私が調べ物をするときにOPACで出てくる本たちも、そのように保管されてきたのだな、と思った。将来誰も使わない可能性もあるが、誰かひとりでも必要とする人がいる可能性のために保管されている。そんなことをぼんやりと、府立図書館の外観を見ながら思っている。早く映画を観に行きたかったが、駅の一角のような部屋のソファで、バイク乗りの男とどうでもいい話をしていたらなかなか発てなかった。全身黒でかためた男が、出かける前に、「忘れてた、色を添えなきゃ」と言い牛柄の帽子をかぶった。私は「色ってそれなん!?」と突っ込んだ。牛柄の帽子は合皮で、ベレー帽のようだがやたらぺたんこの変な形だった。男の部屋は市の東西をつなぐ地下鉄のホームと接続していた。京都市営地下鉄だと思う。

 

烏丸御池を経由? 南西へ下る。

 

映画は、万寿寺通の烏丸東入ルのミニシアターでやっている。11時の部と1時の部があった。ミニシアターの向かいに、赤いお屋根のパン屋さんがある。ミニシアターの入口付近に台があり、作品をモチーフにしたアクセサリーや、別の映画のグッズである猫の置き物を売っていた。青い石のついたアクセサリーか何かを見る。母にも映画を薦めたので、母もここに来ただろう。映画では、カップルの片割れの男がフィラデルフィア賞の男にロッカールームで出会うシーンだけ、三島由紀夫原作のようだった。心情の描写が繊細で、かつ全体が朝の光の中で撮られているような爽やさがある映画だった。

 

 

***

夢の感想:

ひさしぶりに夢見後感の良いスッキリした夢。映画が大変良い映画だったので、途中までしか観られなかったのが残念。最後まで観たかった!

『カラマーゾフの兄弟』の一部が試験で引用され読まされる夢

カラマーゾフの兄弟』のつらいくだりを読まされている。(※実際に作中にある文章で「大審問官」の中の一節。これを現実で読んだシチュエーションも覚えており、19歳時の夏に二階の大閲覧室で読んだ。)
広島大学の入試問題の一部としてその文章が引用され、「登場人物のいずれにも共感しない形であなたの意見を述べよ」というような問題になっている。それを母に解説する。

泣きながら目が覚めたときの夢

夢自体はどちらかといえばよい夢なのに、恐怖と「真っ暗な気持ち」に襲われ、泣きながら目が覚めたという珍しい例だった。日々、愉しいこと、幸せなこと、がんばっていることなどがあっても自分の心は失われた対象にしか無いのだということを見せられ、その「真っ暗な気持ち」こそが人間なのだ、ということに向き合うこと自体が恐怖なのであると思われる。

***

(前半忘れた)

まめ子が寄ってきて顔を擦り付ける(実際よりもちょっと顔が大きくむくむくしている)(顔を擦り付けるしぐさが猫っぽく、実家の猫や昨日遭った猫の影響がある)。
私は「まめ子~!!」と感激して、頭やお腹を撫でようとする。まめ子は身体をすりつけながらも私の脇をすり抜けてゆく。去ってゆく背を撫でながら、「また会いに来てね!また会いに来てね!」と3回くらい言う。(ここで半分目が覚める。半覚醒の状態で、「愛するものを亡くした人、突然の砲撃で家族を失った人はみんなこんなふうに悲しいんだろう」と考える。)

 

女性団体ポ五の夢/フライパンの形の装置で働く人との縁談の夢

(1)
死刑を宣告された幼い少女。彼女はこれから殺されるために大陸を横断して処刑の地に向かうことになっている。その経路は公表されない。こうした子どもたちの保護を謳う「ポ五」という女性団体があり、その国に対して経路の公表を要求するが、個人情報として突っぱねられる。知人の男性がネットでポ五を揶揄していて嫌になってしまった。

(2)
交差点の角に、油に塗れた筒のような何らかの装置がある。道路か水道の整備に関する装置と思われ、普段は気にしていなかったのだが、上から見ると平たいフライパンの形になっていることに気づき、以前その装置の中で働く人との縁談を断ったことを後悔する。「あのときはフライパンの形なんて思わなかったもん」と思う。今からでもまだ返事を変更できるか尋ねようか?と思う(交差点を渡りながら考えている。たぶん三条花見小路の交差点)。しかし「いや、もしフライパンで働いてなかったらあの人と結構したいか? 私はあの人と結婚したいわけでなく、単にフライパンの内部の話を聞きたいだけでは?」と思いとどまる。

6つの章がきれいに配置される夢

夢で、海沿いを走る電車に乗りながら、Oさんの論文を読んでいる。それを参考に、自分が書いたもののまだ自分の中でバラバラにしか存在していなかった6つの章が、きれいに配置されていった。

 

***

稀有なことに、スッキリ気持ちよく目が覚めた。何かを書く夢はしんどい夢が多いのに、珍しく、静かで穏やかな夢だった