餅ドリーミン

夢日記です

とても良い映画を観た夢

評判の良い映画を観に行く。若い男女のカップルと、ゲイの青年と、その青年が片思いする少し年上の男、この四人の若者を中心とする青春映画で、『サパス』のようなタイトル。女性は酒好きで飲兵衛である。青年は新京極(六角下ルあたり)でビストロを経営している。四人が新京極の店で知り合っていきなり朝まで酔い潰れる、というところまで観た。また序盤だったが全員演技が上手く、大変良い映画だった。とりわけ、青年役の人の、「恋をしている人の表情」がすごく上手かった。カウンター席に座りながら、青年が片思いの相手の男を横からひっそり見つめており、それを飲兵衛の女が見ている、というシーンがあるのだが、私は作中の女と同一化し「恋してる人の表情ってこうだなあ!」と思っていた。普段はそんなことは思わないのに。片思いの相手の男は、フィラデルフィア賞(なんか建築の賞らしい)の受賞歴があり、プライドの高いとっつきにくい男だが何か雰囲気がある人物だ。彼の役の俳優も、そんな人物像をよく演じていた。映画は某君も絶賛していたという。

 

岡崎を、東から西へ歩いている。丸太町通りのひと筋ほど南の民家の並ぶ通り(実際は無い通りだが、以前ラブホ街があったあたり)。京都らしい町家が並んでおり、歩いていると、一軒の家からNさんが出てきた。Nさんは、綺麗に咲いた鉢植えを外に出すところで、鉢植えは薄黄色の躑躅だった。Nさんと一緒に住んでいる彼女はまだ寝ているという。Nさんは変な歌を歌っている。私はふざけて「今日一日頭から離れないじゃないですか」と言う。Nさんはしばらく元気がなかったが、今は元気だと彼の指導教員に聴いた。Nさんは大学から離れたが、荷物をまだロッカーに置いている。S君も同様だそうだ。私は彼らのロッカーを開けに行く(それは現実のようでもあり映画の中のようでもある)。建築学の分厚い本が入っていて、彼らもフィラデルフィア賞に複雑な思いをもっていたようだ。ロッカーは町家の坪庭に面した廊下奥にある。

 

掃除のときに小学校で配布されたソングブックが出てきて、それをIさんが図書館に寄贈しようとしたが断られた、と聴いた。「それじゃ文化が衰退していくよね」という話をした。紺色の皮に、銀で題字と絵が刻み込まれた表紙だった。小学校のソングブックなんて今はほとんどの人は要らないだろうが、しかし、何十年後に何かを調べようとする人にとって重要になるかもしれない。私が調べ物をするときにOPACで出てくる本たちも、そのように保管されてきたのだな、と思った。将来誰も使わない可能性もあるが、誰かひとりでも必要とする人がいる可能性のために保管されている。そんなことをぼんやりと、府立図書館の外観を見ながら思っている。早く映画を観に行きたかったが、駅の一角のような部屋のソファで、バイク乗りの男とどうでもいい話をしていたらなかなか発てなかった。全身黒でかためた男が、出かける前に、「忘れてた、色を添えなきゃ」と言い牛柄の帽子をかぶった。私は「色ってそれなん!?」と突っ込んだ。牛柄の帽子は合皮で、ベレー帽のようだがやたらぺたんこの変な形だった。男の部屋は市の東西をつなぐ地下鉄のホームと接続していた。京都市営地下鉄だと思う。

 

烏丸御池を経由? 南西へ下る。

 

映画は、万寿寺通の烏丸東入ルのミニシアターでやっている。11時の部と1時の部があった。ミニシアターの向かいに、赤いお屋根のパン屋さんがある。ミニシアターの入口付近に台があり、作品をモチーフにしたアクセサリーや、別の映画のグッズである猫の置き物を売っていた。青い石のついたアクセサリーか何かを見る。母にも映画を薦めたので、母もここに来ただろう。映画では、カップルの片割れの男がフィラデルフィア賞の男にロッカールームで出会うシーンだけ、三島由紀夫原作のようだった。心情の描写が繊細で、かつ全体が朝の光の中で撮られているような爽やさがある映画だった。

 

 

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夢の感想:

ひさしぶりに夢見後感の良いスッキリした夢。映画が大変良い映画だったので、途中までしか観られなかったのが残念。最後まで観たかった!